最終更新日:2023/03/03
古代史を解明する会(解明委員会)
活動記録 バックナンバー 4
- DNA・日本人の起源(2022年8月27日)東京 実施済
(2023/03/03 New!)
- 「箸墓古墳は誰をまつる古墳か?」(2023年1月27日)東京 実施済
(2023/02/24 New!)
21~24回は後日掲載いたします。
古代史を解明する会 2022年8月 オンライン開催
2022年8月27日 第20回 古代史を解明する会「DNA・日本人の起源」)は、13:00 より 17:00 オンライン開催された。 出席者8名。
- テーマ:「DNA・日本人の起源」
-
代表的な説を取り上げて、紹介してもらい、それについて検討することとします。
- ① 篠田謙一『日本人になった祖先たち~DNA が解明する多元的構造~』などの紹介 飯田眞理さん
- ② 斎藤成也氏提唱の「ヤポネシアゲノム」の紹介 丸地三郎
レポートの内容
- ① 篠田謙一『日本人になった祖先たち~DNA が解明する多元的構造~』
-
飯田眞理さんが、篠田謙一氏の著書『日本人になった祖先たち』を紹介した。
-
下記3文献を紹介し、日本人が、朝鮮半島からと北方からのニ方向から流入・渡来したと紹介
- 山田康弘『縄文時代の歴史』講談社現代新書 2019
- 勅使河原 彰『縄文時代史』新泉社
- 安蒜正雄(あんびるまさお) 『旧石器時代の起源と系譜』 雄山閣 2017
- その上で、篠田氏の説を紹介した。
- 質疑応答:
-
感想!今まで考古学等で云われてきたことがDNAでもみとめられており、リーズナブル。朝鮮半島からの人の移動示されているが、朝鮮半島にはいろいろな人達がいる。その中で、どの地域/クニから来たのか細かいことを知りたい。
→mtDNAでは日本も朝鮮も同じなのに、Y染色体では違う。特にDが異なる。不思議だ。朝鮮半島のDNAの解析が進むことが望まれる。
- 丸地より篠田著書紹介に疑問を呈する説明が行われた。(資料有り)
- mtDNAに関しては、篠田著作では、多種のmtDNAが存在したと報告されてきたが、現在厳密に解析が行われた分析では、ほぼ、M7とN9の2種類しか検出されていないと云う異なった問題がある。そこで、篠田著作のmtDNAの報告自体に疑問が呈された。
-
下記3文献を紹介し、日本人が、朝鮮半島からと北方からのニ方向から流入・渡来したと紹介
- ② 斎藤成也氏提唱の「ヤポネシアゲノム」
-
- 内なる二重構造を提唱し、3段階渡来論を展開していることを紹介。
- 内なる2重構造論は、出雲一族とその影響の強い地域と、それ以外の地域差と見えることを、出雲族の勢力範囲と合致することを紹介。弥生渡来人にやや違いの有る二つの集団が有ったことが判った。
- ヤポネシアゲノムの遺伝学データの取り扱いに、問題があることを示した。
- 弥生渡来人にやや異なったグループが来たことが明確になったことは歓迎するが、3段階渡来説は成り立たない。
- 質疑応答:
-
韓国南岸の島から出土した6千年前の人骨のDNAに弥生人のDNAが混じっていたことをどう解釈するかなどに関する疑問がだされた。
mtDNAの解析方法とゲノムの解析方法の違いなど、様々な議論が行われた。
動画と資料
- ➤ 動画 YouTube 動画リンク
-
-
mtDNA篠田説 飯田真理プレゼン 55分
https://youtu.be/g4ccwltOZgI -
飯田氏の篠田謙一説プレゼンへの丸地コメント 38分
https://youtu.be/83w_1z5pbIM -
ヤポネシアゲノム紹介 1時間2分
https://youtu.be/eNbsZqzY2FU
-
mtDNA篠田説 飯田真理プレゼン 55分
- ➤ 資料
-
- 篠田謙一著『日本人になった祖先たち~DNA が解明する多元的構造~』などの紹介 飯田眞理 PDF約4.8MB
- 飯田さん論文へのコメント 丸地三郎 PDF約1.3MB
- ヤポネシアゲノム論 丸地三郎 PDF約6.3MB
古代史を解明する会 2023年1月 オンライン開催
2023年1月27日 第25回 古代史を解明する会『箸墓古墳は誰をまつる古墳か?』)は、13:00 より 17:00 オンライン開催された。 出席者9名。
- テーマ:「箸墓古墳は誰をまつる古墳か?」
-
邪馬台国:近畿論の方々の多くは、勿論、箸墓古墳は卑弥呼の墓だ!と云います。
邪馬台国:九州説の方は、箸墓は卑弥呼の墓では無い!と云います。
そこで、改めて、「箸墓古墳は誰の墓か?」を検討してみたいと思います。
箸墓は誰を祭った墓か判れば、邪馬台国論争にも一石を投じることになるかと考えます。
レポートの内容
- 可児レポートとその内容
-
可児さん作成資料を丸地が紹介(可児さんは、仕事中)
- 文献史料を、古事記から一ヵ所、日本書紀から3ヶ所について、及び、魏志倭人伝の卑弥呼/壱与の記述内容をまとめて。
- 箸墓古墳自体について、規模・形状・サイズ・航空写真、及び、考古学者の見解。
- 年代評価及び測定について、歴博の炭素14年代測定法の成果発表論文とそれを報じた新聞記事など。
- 箸墓と並ぶ古墳複数の写真
- 被葬者推定した主な論者と説を6件について
- 被葬者:崇神天皇説。行燈山古墳とその後の天皇達の陵墓の写真
- 可児さんの見解:消去法で崇神または台与/壱与
- 可児レポートに関して質疑応答
-
- 倭迹迹日百襲姫命の墓とするのは不思議で疑問がある。 判らないので、発掘すべき。
- 古事記に、倭迹迹日百襲姫命は出てこない。 糸が3巻分残った話は、別人の活玉依毘売。
- 纏向型初期古墳が周囲に沢山ある。その周辺の豪族勢力が有った。箸墓はそれらに関係する。
- 箸墓は、年代測定が色々あるが、やはり大型古墳の最初のもので、大和王権を確立した人の墓。人名は不明。
- 巫女さんの為に巨大な古墳は作らない。権力者の墓の筈。
- 様々な疑問が発せられた。
- 丸地レポートを発表
-
- 箸墓は、大物主=事代主を祀る。
- 箸墓は、『三世紀後半期に確立した大和政権の初代大王の墓であろうと考えている。』しかし、『匹敵する大王は存在しないことになる。』との考古学者の説を紹介。
- 古事記と日本書紀の記述を対比。
- ✧ 倭迹迹日百襲姫命と大物主の婚姻に関しては、日本書紀では、明白に年代/世代が誤りであることを、誰しもが直ぐに判る状況で、物語として、記述した。
- ✧ 記述することを憚られた内容が、この虚構の物語の中に、示唆されていると考える。日本書紀は、正式な歴史書との体面を保つため、天皇家を凌駕する権力者の存在があったとしても、それは、記述してはならないものであったと考える。
- ✧ 日本書紀の『倭迹迹日百襲姫命と大物主の婚姻』の本意は、『天皇家を凌駕する権力者の存在』であった大物主の墓が箸墓で、その当時の人民総出で、築造されたこと、と理解する。
- ➤ 土器形式や土器制作地/巻向遺跡/帆立貝式古墳の分布などの考古学資料から、箸墓:大物主/事代主の墓説の裏付けを行った。
- 丸地レポートに関して質疑応答
-
- 古事記と日本書紀の違う部分に着目することに賛成。倭迹迹日百襲姫命と大物主の婚姻の話は、極めて政治的と見え、そこに手がかりがあると考える。
- 「箸墓:大物主=事代主」説を今まで誰か言った人が居るのか? → 書物に書かれていない。新説。
- 初代天皇の地:飛鳥の飛鳥坐神社も事代主を祀り、葛城一言主神社の一言主も、事代主と言われる。それをどう考えるか? → 神武東征以前は、大和盆地周辺には、饒速日/物部が西側に居て、西北側は長脛彦。南と東側は事代主の領有地であったのではないかと考えている。南の地域を神武天皇に渡し、東側は事代主側に残したものと推定。従って、奈良盆地の南側には、事代主ゆかりの神社がることは、不思議ではない。
- 「箸墓:大物主=事代主」は有り得ない。大物主は三輪山に祀られている。神様が古墳に祀られることは無い。
- 倭迹迹日百襲姫命の墓と書いてあるのだから、曲解すべきでない。
- 大物主=事代主ではないとの意見もある。
動画と資料
- ➤ 動画 YouTube 動画リンク
-
-
箸墓被葬者先行研究 28分
https://youtu.be/CjZPZ-FIuok -
箸墓古墳被葬者大物主説 61分
https://youtu.be/1OAkULp5i0o
-
箸墓被葬者先行研究 28分
- ➤ 資料
-
- 「箸墓古墳の被葬者に関する研究実績」 可児俊信 PDF約1.7MB
- 「箸墓古墳は誰をまつる古墳か? 大物主神-事代主 説」 丸地三郎 PDF約2.7MB